北海道の住宅は、冬期間の寒さや大雪などの厳しい環境でも、快適に暮らせるような工夫がされています。
北海道の家

屋根

雪の重さに耐えられるよう、屋根自体が軽いトタン屋根が主流です。積もった雪が自然に滑り落ちるような三角屋根が多かったのですが、隣の敷地に雪が落ちたり、つららの危険性を考え、都市部では無落雪の平らな屋根の家が増えてきました。

玄関

玄関から出入りするたびに家の中に冷気や雪が吹き込まないよう、玄関周りをガラスで囲った玄関フード(風除室)を設置している家が多く、冬は除雪用具などを置いています。最近は玄関ドアの断熱性が高まってきたため、玄関フードを設置しない家もみられるようになりました。

雨戸を付けている家はほとんどなく、寒さ対策として二重窓の家が一般的でしたが、近年では断熱効果が高いガラスの間に空気層を設けたペアガラス(複層ガラス)や空気層が二重になったトリプルガラスを使用しています。

暖房

暖房器具は一般的に石油ストーブですが、断熱性・気密性の向上に伴い、セントラル暖房や、暖房・給湯・炊事すべてを電気でまかなうオール電化住宅などが増えています。
冬でも半袖や素足で過ごすという方も多く、室内はとても暖かく快適です。

冷房

北海道は真夏日が少ないため、窓を開けたり扇風機を使う家庭が多く、エアコンを付けている住宅はほとんどありません。

灯油タンク

石油ストーブの家では、外に大きな灯油タンクがあり、燃料会社と契約し定期的に灯油を配達してもらいます。

水道凍結

寒さが厳しくなる時期(12月~2月)は、外気温が氷点下になり、水道管が凍結する恐れがありますので、長期間家を空ける場合や氷点下が続く夜などは、水道管の水抜きが必要になります。
水道には水抜き機能がついており、水道管の水を下に落として空にすることから「水落し」とも言います。テレビの天気予報などと共に「水道凍結に注意」の情報も一緒に流れます。

玄関前の除雪

家の前などの私有地は、除雪用スコップやそりのように雪を押して運ぶスノーダンプを使って、各家庭で「雪かき」を行います。雪捨てで近所に迷惑をかけないように注意しています。北海道の雪は、本州よりも軽いですが気温が高い日に降る雪は重たく腰にきます。

車は寒冷地仕様

冬道での運転は「スタットレスタイヤに履き替える」、「不凍液タイプのウォッシャー液を用意する」など、「車を寒冷地用」にします。初雪が見られる頃には、一斉に各家庭やガソリンスタンドなどでタイヤ交換の風景が見られます。

千歳市の除雪対策

毎年12月から3月末までの間、除雪車110台、作業人員約200名で除雪対応します。ちなみに新雪除雪は降雪量10cmが目安で、作業を開始します。そのほか、雪で凸凹の道路を整備する路面整正、道幅を広くする拡幅除雪、凍結防止剤を散布するスリップ防止なども行います。
千歳市で初めて冬を過ごす方は、除雪時の転倒などに注意して下さい。また、風雪時には外出を控えた方が安全です。最後に、夜間の路駐は除雪作業の妨げになりますので、駐車場に停めるようお願いします。

主な除雪方法

市道除雪

間口に雪を置かないよう配慮し、低速で除雪ドーザーを運転し路肩や施設帯に雪を寄せます。排雪は大型のロータリー除雪車により、ダンプトラックに積み込んだ雪を雪捨場に運びます。

市道除雪

パートナーシップ除雪排雪支援制度

千歳市では町内会などが自主的に生活道路の拡幅除雪や間口除雪、または公共用施設の通路、駐車場等の除雪を行う場合の支援として、小型の除雪機や排雪用ダンプトラックの無料貸出しを行っています。

除雪排雪支援制度